アート樂美術館
[画廊概略紹介]
私(美慶)が在住している大分市の郊外の閑静な団地の一角に個人コレクションを公開するために美術館を作ってしまった方がいらっしゃいます。その方の名は「秦俊一氏」。私も時間を作っては、色々と秦氏とのアート論に花を咲かせることが何よりの楽しみになっております。秦氏はまた独自のネットワークにてグループ展を企画したり地元に根付いた活動を行っております。そして、コレクションはもとよりアーティストとしての陶芸、彫塑、切り絵、油彩と多芸溢れる才能に私はただただ脱帽です。
小さな美術館<アート樂>
大分県大分市富士見ケ丘17区116号
TEL/FAX0975−41−5008
AM10:00〜PM7:00(休館日/月.火.水)
アート樂(らくと呼びます)全景、1F駐車場(となりにも駐車場あり)と事務所兼制作場と2Fが本格的な展示室。その展示空間のセンスには画廊も真っ青です。
[秦俊一氏近影]
永年の公務員勤めを退職し、御自身の夢であった美術館制作に取り組む。開館後多くのアートファンがここを訪れ(無料開放)、秦氏のコレクション鑑賞と企画展作品の説明をコーヒーのおもてなしを頂きながら受けることができます。
[展示室]
展示室には、秦氏が永年に渡ってコレクションした数々を3ケ月毎に架け替えを行っています。絵画にやさしい光線と角度、音楽、エアコンディショニング、どれをとっても抜群のセンスです。また、グループの企画展、近所の小学生絵画展も行われます。

[コレクション]
秦氏のコレクションには、版画を中心に日洋画を問わず、また浮世絵から現代アートまで200点を越える多数の希有作品を所有しています。また、その枠は陶器、彫塑にまで及ぶ凄さ。御自身もシルク、木版をやっており、まさに「版画を語らせたら、ちょっと右にでるものはいない」と私は自信を持って断言いたします。所有している代表コレクション作家は次の通り。
安藤広重、福田平八郎、棟方志功、安井曽太郎、山口蓬春、高山辰雄、国領経郎、加山又造、恩地孝四郎、長谷川潔、藤田嗣治、歌川豊廣、小出楢重、絹谷幸二、伊東深水、小倉遊亀、斎藤清、伊藤清永、北川民次、片岡球子、大山忠作、中山忠彦、菅井汲、江藤哲、井上公三、大場正男、深沢幸雄、靉嘔、池田満寿夫、斎藤カオル、小山硬、大津英敏、萩原英雄、上村三代、大沢昌助、高橋潮、小松明、工藤和男他若手作家作品も多数所有。

倉庫に収蔵されている某大な作品には1作品毎に詳細シールが貼付されています。また、陶器コレクションも逸品があります。
[秦氏のコレクションコンセプト]
版画コレクションについて
- 少額の資産で楽しめること。
2.現代版画(販社系インテリアは除く)には99%贋作がないこと。
3.作品管理が油彩、日本画と比較し楽であること。
4.日本人作家作品が国際的にある程度評価を受けていること。
5.技法別に様々な表現があり楽しむことができること。
「いろいろ述べましたが、要はアート作品は何でも好きなんです。しかし、安サラリーでは結果版画が一番コレクションしやすかったんですね」
[秦氏のお気に入り作品]
ちょうど私(美慶)が訪れた際、真正面に掛けられた小さな木版画。ちょっと周辺の作品に圧倒されたこの小品が実は秦氏のお気に入りだと言います。どうやら、この作品との入手までの経緯に思い入れの理由がありそうです。
「実はもう随分前に福岡のコレクターの友人から自分の掛け軸、骨董を処分するから来ないか?との誘いがありましてね。永い付き合いだったので掘り出しものがあるのではと心弾ませて伺がったのです。はたして掛け軸他気に入った作品を譲り受け、まだ無いかと某大な作品の中に埋もれていた小さな木版画が目にとまりました。直感でこれが欲しい!!と頼み込むと当人は「いいよただで持っていって」と有りがたい返事。早速持ち帰り作品を調べたら、やはり近代洋画の巨匠小出楢重の版画だったんですね。小出は洋画一本で版画の制作は少ないものですから、これは逸品と思いました。以来たまに掛けては楽しんでいます。淡い色調と豊満な女性美のバランスがなんともいえません」
私が見ますと実はサインもエディションがない。ほんとに小出?と尋ねますと「30年もコレクションやってると絵で真作と分かるものですよ」とご教示頂く始末です。秦氏がアートを語る静かながら熱いまなざしに惚れて確実に多くのアーティスト、アートファンが集いこの輪は広がっています。これこそ大美術館では為し得ない、フットワークの効いた活動といえるのでしょう。どうぞ、大分へお越しの際は是非お寄りくださいませ。